高い感度と特異性を有するパドロックプローブ・ケミストリー
パドロックプローブによるローリングサークル増幅法を応用する唯一の市販in situプラットフォームです。この強力な手法は以下のことを可能にします。
- 低発現転写物を含む、幅広い発現レベルに対応できる高い検出感度
- 一遺伝子あたりで多数のプローブを必要としない。FFPEのように分解され短くなった転写物の認識
- 全体への影響を最小限に抑えつつ高発現の転写物も低発現遺伝子と同時に検出できる感度調整
- アイソフォームのように相同性が高い転写物同士を識別する能力
原理
Xeniumスライド上で組織切片の準備が整った後に実行されるケミストリーワークフローは、プローブのハイブリダイゼーション、ライゲーション、酵素による増幅で構成されます。これは独自の4ステップからなるプロセスであり、Xeniumの高い性能の鍵となります。
ステップ1&2:2つのターゲット認識とハイブリダイゼーション
プローブの両アームは、それぞれのターゲットに安定してハイブリダイズする必要があります。一方のアームしかハイブリダイズしていない場合、プローブは不安定でありハイブリダイゼーション後の洗浄時に洗い落とされます。パドロックプローブには遺伝子固有のバーコード配列も含まれており、各転写物にユニークな光学的シグネチャーを生成しています。ステップ3:プローブのライゲーション
プローブの両アームがターゲットと完全にマッチして安定的にハイブリダイズした場合にのみ、近接プローブのライゲーションが起こります。部分的に結合している、またはミスマッチを含んでいるプローブではライゲーションが起こらないため次のステップでの増幅が不可能です。ステップ4:ローリングサークル増幅(RCA)
ライゲーションされたプローブだけが増幅されます。正しいターゲットの認識イベントが濃縮され、オフターゲットイベントは抑制されます。RCAアプローチは安定して強力なシグナルを生み出し、これがシングルプローブでの検出を可能にしています。装置での検出とデコーディング
装置外でのケミストリーワークフローが完了した後、スライドをXenium Analyzerにロードして転写物を検出します。 サンプル中の増幅産物に対して、蛍光プローブのハイブリダイゼーション、イメージング、除去を連続して行います。各遺伝子に固有の光学的シグネチャーが生成され、標的遺伝子の特定が可能になります。最終的に、組織切片全体にわたる転写物の空間マップを構築します。
データの探索
- Xenium In Situプラットフォームは、装置のランと並行してデータを処理するため、ラン完了後のアウトプットを直接調べられます。サインアップしていただくと、ヒト乳がんまたはマウス脳のXenium In Situデータセットを探索する、お客さまに合わせて個別化されたデモデータをご利用いただけます。