Xenium In Situ Datasets

ヒト乳腺腫瘍の探索

280個の遺伝子で構成されるXenium ヒト乳がん遺伝子発現パネルに33個の遺伝子を追加して0.4 cm2のヒト乳癌FFPE切片からXenium In Situデータを得ました。データの探索を行うために、Xenium Explorer Demo(デスクトップアプリケーションのプレビューバージョン)を使用できます。

Xenium Explorer デモ
出力の表示またはダウンロード
Xenium Explorerの使い方
human breast tumors
これは、Xeniumの開発モデルから得られたXenium In Situデータのプレビューです。
Xenium Analyzerの改良モデルで得られた新たなデータは、www.10xgenomics.com/datasetsから取得できます。

主な解析結果

  • 生物種および組織
    ヒト乳腺
  • 保存方法
    FFPE
  • 使用した既製パネル
    Xenium ヒト乳がん遺伝子発現パネル(280個の遺伝子)
  • カスタム遺伝子の数
    33
  • 組織面積
    0.4 cm²
  • 検出された細胞数*
    167,780
  • 検出された転写産物の総数*
    34,442,716
  • 細胞あたりの転写産物数の中央値*
    166
*このデータセットは解析パイプラインの中の新たなバージョンを使用して処理したため、解析結果はプレプリントとわずかに異なることがあります。

Xeniumで細胞種の不均一性を探索し、同じ切片をHEで染色して確認

細胞種と遺伝子特性の空間的構成を視覚化することで異なる組織マクロ構造を明らかにし、腫瘍領域内の細胞や分子に大きな不均一性があることを把握します。

Xeniumはヒト乳腺の主要な細胞種を同定します。2つの例で示すように、腫瘍サブタイプの不均一性および腫瘍上皮細胞周囲の微小環境を研究するためには空間情報が必要です。Xeniumのラン後に取得するH&E染色データは、転写産物情報を解釈し検証する際に役立ちます。

t-SNE空間で発現プロファイル別に色分けし、元の組織空間に戻してマッピングした細胞
H&E image
t-SNE空間で発現プロファイル別に色分けし、元の組織空間に戻してマッピングした細胞(上)。同じ切片のH&E染色画像。縮尺:1 mm(下)。
異型乳管過形成
異型乳管過形成
異型乳管過形成。健康な乳腺には筋上皮細胞(緑)が存在し、上皮の基底細胞層を覆っている。過形成が生じると、一部の細胞の発現プロファイルが非浸潤性乳管癌(DCIS)で通常認められる細胞に近づく。
良性乳管拡張症(左)近傍のDCIS(右)
良性乳管拡張症(左)近傍のDCIS(右)
良性乳管拡張症(オレンジの矢印)近傍のDCIS(緑の矢印)。乳管拡張症では、炎症細胞に囲まれた肥厚した乳管壁内でマクロファージが検出される。縮尺:200 µm

DAPIベースの細胞セグメンテーション

Xeniumでは、社内トレーニングモデルを使用してDAPI画像で核を区分します。Xenium解析ソフトウェアにより、通常とは違う形の核の区分も正確に行えます。核からの拡大された細胞エリアに対して転写産物のマッピングを行います。

DAPI画像
DAPI画像。縮尺:50 μm
核輪郭を示すDAPI画像
核輪郭を示すDAPI画像。縮尺:50 μm
核(緑)および細胞(黄)の輪郭を示すDAPI画像
核(緑)および細胞(黄)の輪郭を示すDAPI画像。縮尺バー:50 μm

Xeniumの出力を一般に使用されているシングルセルデータ解析ソフトウェアで解析し、クラスターのアノテーションや発現変動遺伝子の同定を行えます。

細胞種例における発現変動遺伝子トップ10
細胞種例における発現変動遺伝子トップ10

稀なトリプル陽性細胞の発見

ERBB2(HER2)陽性、 ESR1(ER)陽性、PGR(PR)陰性乳腺腫瘍に分類されるものに稀に含まれるトリプル陽性細胞(3種類のホルモン受容体のすべてを発現している細胞)を、Xeniumで発見します。

 ERBB2、ESR1、PGR、その他の遺伝子の転写産物画像
t-SNEで視覚化した3遺伝子の発現レベル
ERBB2、ESR1、PGR、その他の遺伝子の転写産物画像。トリプル陽性領域を黄色で示す。縮尺バー1 mm(上)。t-SNEで視覚化した3遺伝子の発現レベル。トリプル陽性細胞の小集団を白のボックスで強調表示(下)。
トリプル陽性(ESR1+/PGR+/ERBB2+) DCIS
ダブル陽性(ESR1+/ERBB2+)DCIS
Xenium Explorerのフリーハンド選択ツールを使用して手動で作成した、ROI内の転写産物数および転写産物密度を示す画像。(上)トリプル陽性(ESR1+/PGR+/ERBB2+) DCISおよび(下)ダブル陽性(ESR1+/ERBB2+)DCIS

他の Xenium データセットの探索

マウス脳神経生物学
248個の遺伝子で構成される事前設計済みのXenium Mouse Brain Gene Expressionパネルを用いて0.66 cm2の新鮮凍結マウス脳冠状切片から得られたXenium In Situデータセットの探索を行うために、 Xenium Explorer Demoを使用できます。
マウス脳データセット
Xenium In Situ
  • 高解像度in situ遺伝子発現マッピング
  • 専門的なキュレーションがなされたカスタマイズ可能なコンテンツ
  • 使いやすいハイスループットアナライザー
  • 直感的な視覚化ソフトウェア
プラットフォーム